ネットショップの多店舗展開は「独自ショップ→モール(楽天など)」の順番で

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From:橋本公平 (大阪の事務所より)

オリジナルファースト

おはようござます、ウェブマーケティングコンサルタントの橋本です。
前回は「開店するなら大型ショッピングモールか独自ショップか」の比較を行い、独自ショップがおすすめな理由を説明しました。

今回は多店舗展開する場合について解説していきます。なぜショッピングモールより独自ショップを先につくったほうがいいのでしょうか。独自ショップはモールとちがい、自力で集客をやっていかないといけません。

サービスや商品の知名度が低い会社だと、名指しで検索してくれることはほぼないのでたいへんです。特にリスティング広告に頼らず、自然流入を集客のベースにしたいショップさんにとっては、SEO施策は必至です。

独自ショップを先にすすめるのは、このSEOと顧客の特性が大きな理由です。

ショッピングモールのお客はどんな人か?

あなたも楽天やYahoo!ショッピングで買い物した経験はあると思います。その時、欲しい商品をどのように探しましたか?検索を使った人は少ないと思います。欲しい商品をGoogleやYahoo!で検索するのではなく、楽天に入ってからその中で検索したのではないですか?

そうなんです、

ショッピングモールで買い物する人の多くは、検索を使わずにまずそのモールに行く傾向

という行動特性があります。

楽天での買い物に慣れたお客さんは、楽天での購入を前提にしているので、検索なんて使いません。「欲しい商品がある→まず楽天にアクセスする→(楽天内で)検索する」なので、Google・Yahoo!検索の入る余地があまりない。さらに楽天ショッピングアプリがあればブラウザを開く必要もないので、楽天以外で探す選択肢も狭くなります。

Amazonも同じです。ぼくは何か欲しい商品があると、まずAmazonに直接入って探します。ここにもGoogle・Yahoo!検索は使いません。

ここまでを図でまとめると、

モール派は直接モールへ

独自ショップのお客はどんな人か?

独自ショップのお客さんはどんな人でしょうか?予め「独自ショップで買うぞー」と決めてる人はいないので、一概に決めることはできません。商材によりますが、パターンとして多いのは「欲しい商品がある→まず検索する→順位上位サイトや広告をクリックする」でしょうか。

独自ショップは、(注力の度合いはショップによって違いますが)Google・Yahoo!検索(SEO)とリスティング広告(PPC)がメインの集客手段になります。資金のないショップだと広告展開ができず、必然的にSEOに頼るケースもあります。豊富な資金のあるショッだと、最初から広告で効率的に顧客を集め、ショップの成約率を上げていき、さらに広告投入しながら、同時にSEOにも力を入れるショップもあります。

広告にもいろんな種類があってここでは説明しませんが、SEOにせよリスティングにせよ、なにか情報を検索する過程で流入してもらう点では、独自ショップは検索メインでの集客に頼ることになります。

ここまでを図でまとめると、

検索派

まず検索から入る人も多数存在する。

モールと独自ショップで、理想的なお客の棲み分けをつくるには

多店舗展開のショップ運営では、まずベースとなるショップの商品データをそのまま他店舗に転用(コピー)するケースが多いです。店舗ごとに違う商品を掲載するには、時間とコストがかかるからです。転用の結果、どのショップも同じ商品ラインナップになります。

ということは、検索せずに直接モールに来る人はモール店、検索をメインに来る人は独自ショップに、という流れが多店舗展開では理想的と言えます。

で、ここでSEOの話になります。
ネットショップのインデックス量が多ければ、それだけアクセス増加の可能性(あくまで可能性)がありますよね。ただ、検索エンジンは楽天であろうと独自ショップであろうと、ページを発見するとインデックスされます。同じようなページがあると、先にアップされたほうを優先的にインデックスし、後からアップされた似たページはコピーに近いページとみなされ、インデックスされないか検索結果順位に影響します。

ここで、「ショッピングモール→独自ショップ」の多店舗展開する場合、このインデックスと先述のモールの顧客特性のせいで、不都合が出ます。

「ショッピングモール→独自ショップ」の流れだと、、、

  • モールを先に出した場合、Googleがモールのページをインデックスする
  • その後に独自ショップを出しても、類似ページと判断されインデックスされにくい
  • 独自ショップの生命線のひとつであるSEO(自然検索)に反映されにくい
  • 直接ショッピングモール派は取り込めるけど、独自ショップに誘導したい検索派に(検索上位に位置しにくいので)見つけてもらえにくい

という状態になります。

モール出店が先だと、、、

つまり、多店舗展開をしていても、モール派のお客しか取り込むことができなくなってしまいます。

「独自ショップ→ショッピングモール」の流れだと、、、

これが「独自ショップ→ショッピングモール」の流れだと、顧客の棲み分けは正常に機能します。

  • 独自ショップを先に出した場合、Googleが独自ショップのページをインデックスする
  • その後、ショッピングモール店は、類似ページと判断されインデックスされにくい
  • でもモール派は直接ショッピングモールへ来るので、検索の影響はあまりない
  • モール派のお客は取り込めるし、独自ショップ派のお客も(検索に反映されやすいため)も取り込める。

という状態になります。

独自ショップが先だと、、、

つまり、モール派のお客はモールに、検索派のお客は独自ショップに、という適切な棲み分けができて、モレなく集客ができるようになります。

独自ショップ→ショッピングモールで多店舗展開を考えよう

以上のように、どちらのショップもモレなく集客するには、「独自ショップ→ショッピングモール」の流れが適切だと言えます。ショッピングモールで成功している企業が、後から独自ショップを立ち上げてうまくいってる例は、ぼくは知りません。もしかしたら存在するかもしれませんが、厳しい展開になると思います。

現在、楽天市場から多店舗展開したい人は、独自ショップは見送り、別のモール(ヤフーショッピングやAmazon、Lineモールなど)を検討したほうがいいでしょう。

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